「正しさ」が奪っていたもの——クライアントの熱と狂気を解き放つ新しいアプローチ
私はこれまで、クライアントの認識を「より安全で効果的なもの」へ書き換えることこそが、セラピストとしての正解だと信じていました。
誤解を解き、思い込みを外し、認知を整える。 それによってクライアントは確かに穏やかになり、冷静さを取り戻していきます。
しかし、ふと気づいたのです。 整ったはずのクライアントが、どこか寂しげな面持ちをしていることに。
なぜだろう? と考え続けました。
そして、ハッとさせられたのです。 私はクライアントが持っていた「誤解や思い込み」を解くことばかりに躍起になっていたのだと。
その結果、彼らが本来抱いていた「熱」や、その誤解ゆえに生み出されていた純粋な「狂気」までもおとなしくさせてしまっていたのです。
冷静で賢くなった代わりに、命の熱量や情熱がすーっと引いていってしまう。 その時、痛感しました。私は大きな勘違いをしていたのではないか、と。
誤解や思い込み、いびつな狂気。 それら一見すると「解消すべきもの」に見える要素こそが、実はその人の強烈な個性であり、人生を前に進めるための貴重な「エネルギー源(火薬)」だったのです。
これからの私は、この視点を深く取り入れてセッションに臨みます。
セラピストとしての私のアーキテクチャ(設計思想)は、新しく書き換わりました。
クライアントをただ「鎮静」させるのではない。 彼らが内包する熱や狂気を殺さず、いかに安全かつダイナミックに生かしていくか。
これから出会うクライアントたちの瞳に、再び生々しい命の火が灯り、生き生きとした表情へと変わっていくのが、今から楽しみでなりません。
あ、もちろん冷静に鎮静化したいだけのクライアントも、それはそれで喜ばれてますので、悪しからず。
